ココはいつも私が帰ると、飛びついてくる。嬉しそうだ。
もちろん、私もうれしい。
私はココを抱きしめる。家族の話ではさっきまで寝ていたらしいのに、私に抱きしめられると、しばらくするとあくびをする。
ご主人様の大きな愛に包まれて、ココは幸福感の中ですやすやと眠くなるのだろう。
なんてかわいい柴犬なのだろう。
私はまた強く、ココを抱きしめる。
ココはまたあくびをする。その繰り返しだ。
本屋に行ったとき、犬の気持ちという本があった。
夏の暑いときはエアコンのよく効いた本屋さんは大変居心地の良い場所である。
この本屋さんは三年前に業務用エアコンクリーニングをした場所だった。
そんなわけで、よくこの本屋さんを利用する。
本をぱらぱらみていると「犬のあくび」というページがあった。
おっ、ココが私に抱かれてよくするあくびの事だな。どれどれ、あくびは大好きなご主人様に抱かれるとよく出るとでも書いてあるのかな?
そう思って続きを読んでみた。
本にはこう書いてあった。
「犬のあくびは、強いストレス、不快感を感じた時によく出ます。」
おしまい。
追伸
そういえば、ココは私に抱かれると、なんだか悲しそうな顔をしている気がする。