久しぶりに遅めの朝食をとった。

私は普段3時くらいに起きて、いろいろ事務仕事をするのでそのうちお腹が減ってくる。自分でカップラーメンやインスタント食品をレンジでチンして食べるのである。

疲れていたのか、休日という事もあり、7時に起きた。

食卓にはもう朝食が並んでいた。女房は用意した後、どうやらシャワーを浴びているようだ。

一人で食べ始めた。

まずびっくりしたのが、ウインナーだった。いつもなら一人2本と決まっている。それも半分、4分の1に切って料理するのに、今日に限って、4分の1が2個と、まるまる一本のウインナーがなんと3本もあった。それに目玉焼きと焼売であった。

焼売もいつものやつではなく、なんだかよくわからない普通の容器に入っているタイプだった。10個100円のものではなかった。

食べてみた。

ウインナー。私にもわかった。4分の1のウインナーはいつものウインナーだったが、まるまる1本のウインナーはどこか違う。なんというか安っぽい味であった。

焼売もそうである。食べるといっぱい肉が詰まっているような感じだが、硬い感じでいつもの焼売とはまるで味がちがう。

私はピーンと来た。「はは~ん、どうやら、また近所の激安ストアーを見つけたのだな。それでいままでよりも安いものを買って、けちるつもりだな。」と。

私の味に対する感覚はまさに三ツ星レストランの総料理長なみなのだ。万人の舌は騙せても、私の舌はだまされないぞ。

おいおい、いくらなんでも10個100円の焼売をこれ以上ケチるなよ。それにいくら一人3本も食べられるとしても、おれは安いウインナーよりも、きちんとしたものが食べたいのだよ。

ちょうどシャワーから出た女房が、とても機嫌がよさそうだったので、今がチャンスと思い、静かに言った。

「おいおい、いくらなんでも、この焼売とウインナーなんだけどさ、、、、」

すると、女房が嬉しそうに言った。

「やっぱわかる~。昨日、成城石井に行って、奮発して買っちゃった。ウインナーはいつもの3倍、焼売なんていつもの5倍もするのよ!」

おしまい。